B級。
この言葉は結構勘違いされがちな言葉ですね。
本来は低予算で作られたものを示す事が多いのですが最近はあまり面白くない、といった意味で使われていたりするのも散見されます。
今回レビューさせて頂くアンティルドーンは、間違いなく低予算ではないです。
面白くない訳でも無いです。
それなのにタイトルに何故B級という言葉を使ったかというと。
B級映画(特にホラー)には独特の雰囲気、魅力の様なものが有り、本作はその空気感を見事に描いていたからです。
話の流れをざっくりと言うと若者たちがグループで山荘に泊まりに行き、県外で外部との連絡手段は無く、雪で孤立。
謎の脅威に晒されてのサバイバル。
もうほんっとうにベタの中のベタ。
伝統芸とも言っていいほどのベタです。
余りにもよく見る展開。
それなのに何故未だにこんなベタなシチュエーションが展開されるのか。
それはやっぱり面白いからに他ならないと思います。
それではレビューに入りたいと思います。
本作は選択肢によってストーリが様々に分岐していきます。
それも、その場での分岐だけだけでは無く後々にもその時の選択が効いてきたりします。
俗に言うバタフライエフェクトというやつですね。
その選択肢の選び方が、基本的にムービーの途中に突然選択肢が出てくるものもあるのでゆっくり考えている暇はありません。所謂QTE(クイックタイムイベント)システムです。
たしかに脅威に追われている時にじっくり考えている暇はありませんから物語に自然とマッチしていました。
基本的に筆者はQTEが嫌いでどうしても蛇足にしか思えないのですが、本作の場合は程よく緊張感を保っていたので割と良かったと思います。
不快には感じませんでした。
気になった点のお話
- マップの移動
歩くスピードが非常に遅く、そこはアクションゲームでは無いので良いとしても探索エリアが広がってくるとストレスを感じました。
更に昔のバイオハザードの様にマップの端まで行くと切り替わるタイプなのですが似たような見た目の
場所が多い為、今どこに居るのか分かりにくく来た道を逆戻りしてしまう事が何度もありました。
- キャラクターの個性
キャラクターは個性溢れるという触れ込みですが、特に女性キャラを見分けるのにかなり時間がかかり、誰が誰なのか覚えるのに終盤までかかりました。
(すぐに覚えられたのこの人くらい)
もう一周やればより楽しめるのかもしれませんが、すぐにキャラクターを把握出来ればもっと楽しめたかもしれません。
- 規制シーンがブラックアウト
うーん。これはもう少しなんとかならなかったのかなー。グロいシーンが多いのですがその度画面がブラックアウトします。
バグったのかと思いました。
そういったシーンは想像するしか無いのですが、物語の核心とも言えるシーンがこのブラックアウトによって台無しになっています。
非常に残念。
- 個々に細かいパラメータが設定されているが何のためにあるのかよくわからない
言葉のままです。よくわからなかったです。
-
良かった点と総評
B級ホラーファンは大喜びするストーリー展開。
物語全体のサイズ感も丁度良く最後まで飽きる事なくプレイ出来ました。
ボリュームが無ければその分ストーリーのクオリティが求められます。
その結果最近はボリュームがあればあるほど良いだろ、といった風潮を少し感じていたので久しぶりにスマートで纏まったゲームを体験できて嬉しかったです。
あと、特典にメイキング映像が収録されていたのも良かったです。
ゲーム制作の裏側を除けるのは興醒めしてしまう人もいると思いますが個人的には見たい方なので。
総合的に見ると良いゲームでした。
独断と偏見に基づいたギリギリポップ的採点は
65/100点
ありがとうございました!